○喜茂別町成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和元年5月24日

告示第10号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 町長申立て(第3条~第9条)

第3章 申立費用の助成(第10条~第16条)

第4章 後見人等に対する報酬の助成(第17条~第23条)

第5章 雑則(第24条・第25条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この要綱は、判断能力が十分でない認知症等の高齢者、知的障がい者及び精神障がい者(以下「要支援者」という。)の福祉の向上を図るため、成年後見制度の町長申立て及び成年後見制度の利用に必要な費用を負担することが困難である者に対する助成を行う成年後見制度利用支援事業(以下「支援事業」という。)の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この要綱において「後見開始等審判」とは、次に掲げる審判をいう。

(1) 後見開始の審判(民法第7条関係)

(2) 保佐開始の審判(民法第11条関係)

(3) 保佐人の同意を要する行為の範囲を拡張する審判(民法第13条第2項関係)

(4) 補助開始の審判(民法第15条第1項関係)

(5) 補助人の同意を要する旨の審判(民法第17条第1項関係)

(6) 保佐人に代理権を付与する旨の審判(民法第876条の4第1項関係)

(7) 補助人に代理権を付与する旨の審判(民法第876条の9第1項関係)

2 この要綱において「町長申立て」とは次に掲げる規定に基づき、町長が行う後見開始等審判の申立てをいう。

(1) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条

(2) 知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条

(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2

3 この要綱において「親族等」とは、配偶者及び二親等内の親族をいう。

4 この要綱において「後見人等」とは、成年後見人、保佐人又は補助人をいう。

5 この要綱において「被後見人等」とは、後見人等が選任された要支援者であって、第3条第1項の要件を満たす者をいう。

第2章 町長申立て

(町長申立ての対象者)

第3条 町長申立ての対象となる者は、喜茂別町に住所を有する要支援者であって、次に掲げる要件に該当する者(以下、この章において「対象者」という。)とする。

(1) 親族等がいない者

(2) 親族等があっても、後見開始等審判の申立てを拒否している者

(3) 親族等があっても、虐待、財産の侵害等の事実がある者

(4) 親族等が戸籍上確認できるが、音信不通の状態にある者

(5) 後見開始等審判の申立てに急を要すると町長が判断する者

2 前項の規定に関わらず、対象者に三親等又は四親等の親族がいる場合であって、当該親族において後見開始等審判の申立てをすることが明らかであるときは、町長申立ては行わないものとする。

(町長申立ての要請)

第4条 要支援者に係る民生委員等の支援者その他関係機関の職員は、対象者と判断される要支援者がいるときは、喜茂別町成年後見制度町長申立て要請書(様式第1号)により、その者の町長申立てを町長に要請することができる。

(調査及び決定)

第5条 町長は、町長申立てを行うに当たっては、次の各号に掲げる事項の調査を行い、申立ての適否及び申立ての種類を決定するものとする。

(1) 対象者の事理を弁識する能力

(2) 対象者の生活状況及び健康状況

(3) 対象者の親族等の存否

(4) 対象者の親族等の後見開始等審判の申立てを行う意思の有無

(5) 対象者の福祉の増進を図るために必要な事情

2 町長は、町長申立てを含む、対象者の適切な支援方法を検討するため必要に応じて関係者による会議を開催するものとする。

(町長申立ての手続き)

第6条 町長申立てに係る申立書、添付書類及び予納すべき費用等の手続きは、対象者に係る審判を直轄する家庭裁判所の定めるところによる。

(親族等への情報提供)

第7条 第5条第1項第4号の調査は、後見開始等審判の申立てに係る回答書(様式第2号)により行うものとする。この場合において、町長は、対象者の状況等の情報を必要な範囲内で当該親族等に提供することができるものとする。

2 前項の情報の提供を行うときには、喜茂別町個人情報保護条例(平成11年喜茂別町条例第9号)に基づき、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。

(町長申立てに係る費用負担)

第8条 町長は、町長申立てについて、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第1項の規定により、後見開始等審判の申立てに要する費用(以下「申立費用」という。)を負担するものとする。

(申立費用の求償)

第9条 町長は、前条の規定に基づき負担した申立費用について被後見人等への求償権を得るため、家事事件手続法第28条第2項の規定に基づく手続費用の負担命令に関する申立てを家庭裁判所に対して行うものとする。

2 町長は、家庭裁判所が被後見人等による申立費用の負担を決定したときは、後見人等を通じ、被後見人等に当該申立費用を求償するものとする。

3 前2項の規定にかかわらず、対象者(被後見人等)次の各号のいずれかに該当するときは、町長は第1項の申立て又は前項の求償を行わないことができる。

(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に規定する被保護者(以下「生活保護受給者」という。

(2) 町民税非課税世帯に属する者

(3) その他申立費用を負担することが困難であると認められる者

4 前項の情報の提供を行うときには、喜茂別町個人情報保護条例(平成11年喜茂別町条例第9号)に基づき、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。

第3章 申立費用の助成

(申立費用の助成の対象者)

第10条 申立費用の助成の対象となる者は、被後見人等及び配偶者又は四親等内の親族のうち、被後見人等の後見開始等審判の申立てを行った者(以下「申立人」という。)であって、次の各号に掲げる場合において、第12条による交付申請を行った日に、それぞれ当該各号に定める要件に該当する者(以下、この章において「対象者」という。)とする。

(1) 申立人が被後見人等の場合

生活保護受給者、町民税非課税世帯に属する者、又はその他の理由により申立費用を負担することが困難であると認められる者

(2) 申立人が親族の場合

生活保護受給者、町民税非課税の者、又はその他の理由により申立費用を負担することが困難であると認められる者であって、かつ、被後見人等が前号の要件に該当する者

2 前項の規定にかかわらず、申立人が次の各号に該当するときは、対象者としないものとする。

(1) 申立人が被後見人等の場合

その世帯の預貯金の総額を世帯員数で除して得た金額が80万円以上であるとき

(2) 申立人が親族の場合

その者の預貯金の額が80万円以上であるとき。ただし、当該親族が被後見人と同一世帯であるときは、前号に該当するとき。

(申立費用の助成額)

第11条 申立費用の助成額は、次に掲げる費用とする。

(1) 収入印紙代

(2) 郵便切手代(家庭裁判所予納分に限る。)

(3) 診断書料

(4) 鑑定料

(5) 戸籍謄本など申立ての添付書類の交付手数料及び証明手数料

(申立費用の助成の交付申請等)

第12条 申立費用の助成を受けようとする対象者は、喜茂別町成年後見制度利用支援事業(申立費用)助成金交付申請書(様式第3号)を後見開始等審判の確定日から60日以内に町長に提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次の書類を添付しなければならない。

(1) 後見開始等審判の審判書謄本の写し

(2) 審判が確定したことの分かる書類

(3) 申立費用が分かる領収書

(4) 第10条に規定する要件に該当することが確認できる書類

(5) 後見人等が家庭裁判所に初回報告で提出した財産目録の写し

(6) その他確認を要する事項に関する書類

(助成の承認又は却下の決定)

第13条 町長は、前条の規定による申請を受理したときは、原則として当該申請書を受理した日から14日以内に、内容を審査のうえ、助成の可否を決定し、喜茂別町成年後見制度利用支援事業助成金交付(却下)決定通知書(様式第5号)により申請者に通知するものとする。

(報告義務)

第14条 申請者は、被後見人等(配偶者又は四親等内の親族が申立てを行った場合は、当該親族を含む。次条において同じ。)の資産状況等に変化があったときは、速やかに町長に報告しなければならない。

(助成の中止等)

第15条 町長は、申立費用の助成を決定した場合において、被後見人等の資産状況等の変化により、第10条に規定する要件を満たさなくなったとき、その他事情の変更により特別の必要が生じたときは、助成を中止し、又は助成の金額を変更することができる。

(助成金の返還)

第16条 町長は、偽りその他不正な手段等により助成を受けた者に対し、助成することとした決定の全部又は一部を取り消し、助成した額の返還を命ずることができる。

第4章 後見人等に対する報酬の助成

(報酬の助成の対象者)

第17条 後見人等(親族以外の第三者に限る。以下、この章において同じ。)に対する報酬の助成の対象となる者は、第19条による交付申請を行った日において、次の各号のいずれかに該当する被後見人等(以下、この章において「対象者」という。)とする。

(1) 生活保護受給者

(2) 町民税非課税世帯に属する者

(3) その他の理由により、後見人等に対する報酬を負担することが困難であると認められる者

2 前項の規定にかかわらず、被後見人等の世帯の預貯金の総額を世帯員数で除して得た金額が80万円以上であるときは、対象者としないものとする。

(報酬の助成対象期間及び助成金の額)

第18条 報酬の助成の対象期間(以下「助成対象期間」という。)は、家庭裁判所が決定した報酬付与の対象期間のうち、直近の24か月以内とする。

2 報酬の助成金の額は、月を単位として算出するものとし、家庭裁判所が決定した報酬額の範囲内とする。ただし、次の各号に掲げる額を上限とする。

(1) 居宅の場合 月額28,000円

(2) 施設入所等の場合 月額18,000円

3 前項に規定する施設は、次の各号に掲げるものとする。

(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に規定する保護施設

(2) 障害者総合支援法(平成17年法律第123号)に規定する障害者支援施設

(3) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)に規定する老人福祉施設

(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)に規定する(地域密着型)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院及び旧介護保険法に規定する介護療養型医療施設

(5) 医療法(昭和23年法律第205号)に規定する病院及び診療所

4 第2項に規定する助成金の額の上限の算定に当たり、助成対象期間の始期又は終期が月の中途である場合は、当該月は日割計算(1円未満の端数は切り捨てる。)により算出するものとし、助成対象期間に、居宅と施設入所等の期間が混在する月があるときは、居宅の基準月額を適用するものとする。

5 対象者が次条による交付申請の前に死亡した場合の報酬の助成金の額は、家庭裁判所が決定した報酬額から対象者の遺留財産(残余の遺留金をいう。)を差し引いてもなお不足する金額とする。ただし、前各項により算出した額を上限とする。

(報酬の助成の交付申請等)

第19条 報酬の助成を受けようとする対象者は、喜茂別町成年後見制度利用支援事業(報酬費用)助成金交付申請書(様式第4号)を報酬付与の審判日から60日以内に町長に提出しなければならない。

2 前項の規定による交付申請前に対象者が死亡した場合は、当該対象者の後見人等が前項による交付申請をできるものとする。

3 第1項の申請書には、次の書類を添付しなければならない。

(1) 報酬付与の審判書謄本の写し

(2) 報酬付与の申立時に家庭裁判所に提出した財産目録の写し

(3) 第17条に規定する要件に該当することが確認できる書類

(4) その他確認を要する事項に関する書類

(助成又は却下の決定)

第20条 町長は、前条の規定による申請を受理したときは、原則として当該申請書を受理した日から14日以内に、内容を審査のうえ、助成の可否を決定し、喜茂別町成年後見制度利用支援事業助成金交付(却下)決定通知書(様式第5号)により、申請者に通知するものとする。

(報告義務)

第21条 申請者は、対象者の資産状況等に変化があったときは、速やかに町長に報告しなければならない。

(助成の中止等)

第22条 町長は、報酬の助成を決定した場合において、対象者の資産状況等の変化により、第17条に規定する要件を満たさなくなったとき、その他事情の変更により特別の必要が生じたときは、助成を中止し、又は助成の金額を変更することができる。

(助成金の返還)

第23条 町長は、偽りその他不正な手段等により助成を受けた者に対し、助成することとした決定の全部又は一部を取消し、助成した額の返還を命ずることができる。

第5章 雑則

(実施体制)

第24条 支援事業の実施に当たっては、認知症等の高齢者については元気応援課が、知的障がい者、精神障がい者については住民課が、それぞれ必要な事務を行うものとする。

(補則)

第25条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

この要綱は、令和元年6月1日から施行する。

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喜茂別町成年後見制度利用支援事業実施要綱

令和元年5月24日 告示第10号

(令和元年6月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉
沿革情報
令和元年5月24日 告示第10号