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過重労働によるうつ病で、神経科通院等を秘密にしていた事案

Q.会社での長時労働が原因で、不眠症になりました。神経科に通いながら勤務を続けましたが、症状が悪化し、遂にうつ病になりました。会社に対し損害賠償を請求したいと考えています。ただ、神経科で治療していることを、会社に言い出せませんでした。損害賠償額が減額されるのではないでしょうか。

A.精神の状態に関する情報を上司に申告したくない気持ちには無理からぬところがあります。実際の裁判で、うつ病の原因が過重労働にある場合でも、受診を黙っていたせいで会社側の対処が遅れたという理由で、損害賠償額が減額されるかどうかが争われたケースがあります。
最高裁では、その従業員が、体調不良を伝えたり、欠勤を繰り返したり、業務量を減らすことを申し出ていたことを認めた上で、会社としては、そのような状態が過重な業務によって生じていることを認識できたのであり、状態悪化を防ぐための措置をとることが可能であり、受診歴などを黙っていたことを理由に損害賠償を減額することはできないと判断されました。
そのケースでは、従業員が、会議中に放心状態になったり、同僚から見ても、仕事を円滑にできる状態でなかったことなど、精神不調を判断できる材料に事欠かなかったようです。「本人が黙っていたから」という言い訳が許されないと判断された、参考ケースとしてご紹介します。使用者としては、必ずしも従業員からの自己申告がなくても、その健康にかかわる労働環境に十分に注意を払うべきといえるでしょう。

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